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2007年11月「沖縄の過去と現在」  

---写真の展示「沖縄100万の叫び」---嬉野京子さんの講演「沖縄の過去と現在」---嬉野京子さんを囲んで討論会---



写真の展示「沖縄100万の叫び」
 期日:11月13日〜22日(10:00〜21:00、ただし22日は16:30まで)
 場所:図書館本館ラウンジ(9号館3階)

 本展示の題目「沖縄100万の叫び」は、嬉野京子写真集『沖縄100万の叫び』(新日本出版社、1968年)を基にしています。写真の複写と展示は、嬉野さんからご快諾をいただいて、実現しました。約40点の写真を展示しました。
 嬉野さんが沖縄を取材しこれらの写真を撮影されたのは、1965年と1967年のことです。1965年という年は、ベトナム戦争で地上戦が始まり、沖縄で最終訓練を受けたアメリカ兵などが戦場に送り込まれはじめた年です。アメリカ合衆国においては1967年、公民権運動やSDS学生運動がある意味で終盤を迎え、様々な人々によるベトナム反戦運動が広がっていきました。日本でも、1968年から1970年にかけて学生運動や市民運動が高揚し、ベトナム反戦運動や安保反対運動がさかんになりました。それは、まさに激動の時代でした。
 こうした状況下でアメリカ合衆国と日本とベトナムの利害が交錯した沖縄の実態を少しでも知ることは、激動の1960年代を理解することにつながると考えました。
 この展示の準備に際しては、ゼミ生たちが一丸となって、何日もかかってパネルつくりやキャプションつくりに精出しました。もちろん、専修大学図書館のみなさま、新井先生、任期制助手の後藤さん、日暮先生、考古学実習室のみなさんにもご協力いただきました。




↑ただいま準備中。

展示会場の様子↓







↓展示の写真について話を聞きながら嬉野さんと一緒にまわりました。







嬉野京子さん講演会「沖縄の過去と現在」
 期日:11月15日13:00〜14:30
 場所:8号館2階 821教室
 歴史学専攻の主催で報道写真家の嬉野京子さんを迎えて講演をお願いしました。1965年と1967年に占領下の沖縄を取材されたときの経験を語っていただきました。聴衆は、歴史学専攻の1年生を中心に120名ほどでした。



↑講演中です。



嬉野京子さんを囲む討論会「沖縄の過去と現在」(ゼミプロジェクトの一環として)
 期日:11月15日14:40〜16:10
 場所:9号館5階 95E教室

討論会は、ゼミ生以外の参加者もゼミ室に集まって、次のように進められました。
・はじめに
 当時、嬉野京子さんが訪れた沖縄は日本ではなく「アメリカ」でした。そこでは、カメラの持ちこみさえも禁止されていました。嬉野さんが危険を覚悟して撮影された写真は、現在も在日米軍基地の九割を抱える沖縄の闘争や戦争を風化させない意味で、重要なものであります。

・討論会内容
1、ベトナム戦争と沖縄
  ベトナム戦争中、重大な役割を果たした沖縄。沖縄県民による反戦の気運、基地との関わりの有無をふまえ、この時代の沖縄県民のベトナム戦争への意識、戦争との関わり方について話していただきました。沖縄でベトナム戦争に関する新聞報道などが盛んに行なわれていなかったとしても、島民たちは米軍基地の状況から理解したという。

2、基地問題について
  辺野古の米軍基地移転問題からもうかがえるように、沖縄の基地問題は現在も未解決の問題として残されている。当然それに対しては、賛成・反対両方の立場をとる人たちがおり、その主張も異なる。そんな沖縄の基地問題について、嬉野さんの経験をふまえてお話をうかがいました。基地問題に絡む利害関係は非常に複雑であることがわかりました。

3、報道のあり方
  最近の教科書検定問題をはじめとして、沖縄と本土の報道には、意識・関心の点で違いがあるように思われる。このような違いについて、嬉野さんはどのように感じられるか、またどのような報道がなされるべきかについて話していただきました。地方新聞が、地元であれ遠隔地であれ、いかに地方を報道するか、そういう視覚で頑張っている新聞もあることや、英字新聞には比較的妥当な報道がされているはずだということがわかりました。

4、嬉野さんの最近の活動について
  ジャーナリスト、平和活動家として、多岐にわたって活動しておられる嬉野さん。その最近の活動についてうかがったところ、やはり沖縄での経験を語ることが重要だと認識しているということでした。




↑一つ一つ丁寧に話をしてくれました。


↓最後にゼミのみんなで!





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